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2023.06.18
サブリース契約は危険?メリット・デメリットを徹底解説
不動産投資を始める際、入居者に快適な住環境を提供し、安定した収益を得るためには物件管理が極めて重要です。
今回は、その管理形態の一つである「サブリース契約」に焦点を当て、そのメリットとデメリット、契約を検討する際の重要なポイントについて説明しますので、ぜひ参考にしてください。
■不動産投資におけるサブリース契約とは?
不動産投資を行う上での主な管理形態は、下記の3種類があります。
・自分自身で管理の全てを担う「自主管理」
・管理会社へ管理委託料を支払って業務依頼する「管理委託」
・サブリース会社が一括で借り上げて管理まで行う「サブリース契約」
「サブリース契約」を簡潔に説明すると、サブリース会社が第三者に物件を「又貸し」することです。
■サブリース契約の仕組み
オーナーが所有する賃貸物件をサブリース会社が一括で借り上げ、物件にまつわる管理・運営まで全てサブリース会社が一任します。
入退去に関する手続き、毎月の家賃収納、苦情処理、設備の点検や交換、共用部の清掃などの業務全てを代行してくれるため、オーナーにとっては日々の手間はほとんどかかりません。
また、サブリース契約はオーナーへ契約期間、空室や家賃滞納があったとしても家賃保証を行うことが特徴です。
実際に入居者から徴収した家賃から、定率をサブリース会社が利益として差し引いた分が、オーナーへ送金されます。
一般的には家賃の80~90%程度の保証賃料が支払われることが多いです。
■サブリースは危ないと言われる理由
管理や運営業務を代行してもらえる上に家賃保証までされると聞くと、とても理想的な管理形態に思えるでしょう。
しかし、サブリース契約は過去にニュースで大々的に報じられるトラブルも発生しており、契約を進める際には慎重に見極めなくてはいけません。
基本的にサブリースでトラブルとなるポイントは下記の2つです。
・家賃の減額に関するトラブル
・契約打ち切りに関するトラブル
サブリース契約では、突然サブリース会社から保証する家賃の減額を求められたり、契約期間中の打ち切りを言い渡されることが少なくありません。
■不動産投資のサブリース契約のメリット
サブリース契約が危ないと言われる理由についてお伝えしましたが、もちろんメリットもあります。
主なメリットを下記に3点挙げてみました。
■1.賃貸管理業務をすべて任せられる
先述の通り、賃貸管理業務の内容は多岐に渡るため、自主管理を行うのは非常に手間と時間がかかります。
そのため、普段は会社勤めをしているサラリーマンオーナーは、管理委託をしているケースがほとんどです。
■2.空室や家賃滞納があっても一定の収入を得られる
こちらはサブリース契約を行う上で、最大のメリットと言えるでしょう。
空室や家賃滞納が発生すると、通常家賃収入でまかなうローン返済を給与や貯蓄からの手出しが必要ですが、保証制度があれば心理的不安が払拭され、資金計画も立てやすくなります。
事前に一定の収入が確保されることが分かっているので、安定性を求めるオーナーとしては精神的にも楽になるでしょう。
■3.広告料や原状回復費の負担を抑えられる
通常、空室の部屋に入居付けをしてくれた仲介会社へ広告料と言われる報酬を支払います。
広告料は「家賃1ヵ月分」「家賃2ヵ月分」が一般的な金額ですが、収益性を重視する投資物件において大きな負担となる経費です。
また、入居者が退去する際に発生する原状回復費についても同様にオーナーの負担は少なくありません。
サブリース契約ではこれらの一部をサブリース会社が負担してくれるケースもあり、経費負担を抑えることが期待できます。
■不動産投資のサブリース契約のデメリット
様々なメリットがあるサブリース契約ですが、デメリットの内容については、不動産投資を行う上で特に熟知しておく必要があります。
不動産経営を失敗しないために、サブリース契約でリスクとなるデメリットをいくつかあげてみましょう。
■1.入居者が支払う家賃の全額を受け取れない
サブリース契約では、オーナーは入居者から徴収する家賃全額を受け取ることができません。
サブリース会社の取り分相場は10~20%となり、オーナーの手元に入るのは家賃収入の80~90%程度です。
一括で借りてもらえる利点はあるものの、管理委託の手数料と比べると、サブリースの手数料は高いため、賃貸需要の高い物件では逆に損をしてしまうことがあります。
■2.家賃保証がずっと続くわけではない
サブリース契約の家賃保証制度について触れてきましたが、実は家賃保証は永続的ではありません。
サブリース契約では、会社ごとに契約期間が10年や20年、30年などと設定されていますが、あくまで「契約期間」であり「家賃保証期間」とは相違しています。
20年や30年と長期契約の場合、多くは10年を経過するまでが家賃保証の対象期間です。
さらに注意すべき点は、契約締結日から10年以下の場合でも、サブリース会社からの家賃減額交渉が入る可能性があります。
10年間ずっと決められた家賃が保証されるわけではないことを覚えておきましょう。
■3.礼金や更新料は受け取ることができない
サブリース契約では、入居者から支払われる礼金や更新料をオーナーが受け取ることができません。
オーナーとして礼金や更新料はキャッシュフローの中で重要な収益の一部ですが、残念ながらサブリース会社の取り分として持っていかれてしまいます。
ほとんどのサブリース会社がこの方式を採用しているため、サブリース契約をするのであれば礼金や更新料の収益は見込めないものと考えられます。
■4.設備更新やリフォームにかかる費用はオーナー負担
他の管理形態とも同様なケースが多いですが、設備更新やリフォームなどにかかる費用はオーナー負担となります。
オーナーとしては「毎月安くない手数料を払っているのに」と言いたいところですが、こちらは全てオーナーの負担です。
サブリース会社に管理業務を一任するがゆえに退去の都度、室内の確認を行うことはありませんが、老朽化による故障や交換、リフォームなど急な出費が発生する可能性があります。
■5.免責期間が設定されている場合がある
「免責期間」には、いざ契約を進める際に驚くことがあるかもしれません。
サブリース会社としても、契約締結をしてから入居者を募るため、入居申込が一定期間得られないままオーナーに家賃保証する負担を避けたいのです。
そのため、サブリース会社が家賃保証しなくてもよい期間を設定されていることがあります。
免責期間は契約日から1か月~3ヵ月程度で設定されていることが多いようです。
■6.入居者を自由に選ぶことができない
自主管理や管理委託と違い、オーナーが入居者を選定することができません。
どのような入居者でも、生活時間帯などによるトラブルの発生、属性のよくない方が入居することも少なからず懸念されます。
■7.将来売却する際、資産価値が下がっている可能性がある
これまでに述べてきたサブリースの特性により、将来物件を売却する際に予想以上に低価格になってしまうリスクもあります。
建物はメンテナンスに手をかけることよって長持ちするので、劣悪・低質な管理をするサブリース会社と契約を締結してしまうと、急激な資産価値の低下が免れません。
■8.サブリース会社が倒産してしまうケースもある
物件の管理を外部委託する上で避けられないのが、会社が倒産するリスクです。
サブリース会社の倒産後は入居者とオーナーで直接契約を結ぶことが可能ですが、倒産するまでに入居者が支払った家賃や敷金を回収することはできません。
中には、入居者の家賃や敷金を回収したタイミングで倒産するケースもありますので、管理の外部委託を検討する時は、倒産リスクを念頭に置いておきましょう。
■9.簡単に中途解約することができない
一度サブリース契約をすると、契約期間中の解約はハードルが高いのが現状です。
先述の通り、サブリース会社は消費者として保護されているため、思ったような収益が得られないなどオーナー側の都合による解約ができません。
万が一、サブリース会社に解約が受理されたとしても、契約途中で解約をする場合には解約金が発生します。
違約金の相場は家賃の6ヵ月分程度であり、会社によってはそれ以上の高額に設定されている場合もあります。
サブリース契約はあらかじめ「解約が出来にくい契約」という概念で契約を締結しましょう。
■まとめ
本記事では、サブリース契約に関するメリット・デメリットや確認するポイントについて解説しました。
これからサブリース契約を検討する方は、トラブルが発生した際「サブリース会社は入居者であり、保護される立場である。」ことを常に念頭に置いておきましょう。
サブリース契約をすることが悪いわけではありませんが、オーナー側が不利益を被る条件が多いケースもあるので、契約内容を十分に確認してサブリース会社を慎重に決めることが大切です。

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